
神奈川県横須賀市で11日、原発で使用する核燃料を製造するグローバル・ニュークリア・フュエル・ジャパン(GNF―J)での事故発生を想定した原子力防災訓練が行われました。7月と今月5日に工場で相次ぎ火災が発生し、近隣住民に不安が広がるもと、市民らからは不安を訴える声が上がりました。
訓練は市が主催し、1自治会と久里浜工業団地部会の市民ら、GNF―J、原子力規制庁横須賀原子力規制事務所などが参加しました。住民らは地域内の公園から自治会館へ屋内待避。会館内では防護服を着た職員がサーベイメーターを使って模擬汚染検査を行い、事故への対処、工場の事故対策などについて説明を受けました。
GNF―Jの配川勝正広報部長は冒頭、5日の火災について謝罪し経緯を報告。「放射性物質のある管理区域で2度も火災を起こし、重く受け止めている。原因究明を進め、再発防止に努めたい」と述べました。7月の火災については分析を続けているとしました。
参加者から「『再発防止を徹底』と言いながら再発するのはどういうことか」「なぜ7月の火災から4カ月たっても市長に報告されていないのか」「原子力の必要性を否定しないが、監視しておかなければいけないと思う」などと、質問や意見が次々に出されました。
現在、工場は新規制基準への対応準備中で燃料体の製造は行わず、ウランを取り扱わない業務を行っていますが、敷地内にはドラム缶で2万本近い放射性廃棄物が保管され、さらに保管場所を増やす計画です。
(「しんぶん赤旗」2025年1月12日より転載)