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美浜・高浜差し止め即時抗告審 稼働前提 地元住民を考えず/名古屋高裁支部

裁判所でアピールする世戸さん(右端)ら抗告人と支援者=2月28日、金沢市

関西電力の老朽原発である美浜3号機と高浜1~4号機に対する運転差し止め仮処分の即時抗告審で、第3回審尋が2月28日、金沢市にある名古屋高裁金沢支部(大野和明裁判長)で開かれ、住民側が意見陳述で、国や関電、福井県に対する不信感を訴えました。

 5基は福井県に立地し、美浜3号と高浜1~3号は運転開始から40~50年を超え、高浜4号も今年40年を経過。美浜3号には住民9人が、高浜1~4号には住民2人が仮処分を申し立て福井地裁が昨年3月に却下する決定を出しています。

 抗告人の一人として意見陳述した世戸玉枝さん(日本共産党小浜市議)は会見で、国や関電、福井県がとる避難計画や防災計画に対し、「原発を稼働するのが前提で、地元の私たちのことを考えてやっているわけではないことをつくづく感じる」とのべました。

 住民側は審尋で裁判所に、(1)事故が起こり住民の人格権が侵される具体的危険の立証責任は関電側にある(2)具体的危険にかかわらず実効性ある避難計画が必要(3)想定外の地震は起こりうる―の3点を説明しました。次回は7月11日です。

(「しんぶん赤旗」2025年3月4日より転載)