四国電力伊方原発３号機（愛媛県伊方町）は安全性に問題があるとして、対岸の大分県民５６９人が四国電力を相手に運転差し止めを求めた訴訟で、大分地裁（武智舞子裁判長）は７日、住民の訴えを棄却する不当判決を出しました。

　武智裁判長は、伊方原発の間近にある中央構造線断層帯について、多数の専門家らによって（地震の恐れのある）活断層ではないとの評価がされていると断定し、住民側の訴えを退けました。原告団の松本文六共同代表は「四国電力の主張を丸のみした判決だ」と怒りをにじませました。

　判決後の報告集会で弁護団長の徳田靖之弁護士は、四国電力は伊方原発沖合の３次元地下構造の調査をしておらず、活断層の存在を正確に把握できていないと指摘。過去の原発訴訟で住民を敗訴させてきた不当判決をそのまま踏襲した判決だと語りました。

　住民側は直ちに福岡高裁に控訴する方針。原告団の中山田さつき共同代表は「福島第１原発事故では、当たり前の暮らしが根こそぎ奪われた。（訴訟を通じ）その時の気持ちを思い出してほしい。脱原発社会を目指し主張していかなければ。控訴審で勝って『大分県民が原発を止めた』の旗を掲げたい」と語りました。

（「しんぶん赤旗」2024年3月8日より転載）