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福島原発作業員の身体汚染/規制委 事故は実施計画違反

 東京電力福島第1原発で昨年10月に汚染水処理設備で配管洗浄中の作業員が高濃度の放射性物質を含む廃液を浴びた事故について、原子力規制委員会は21日、作業手順などを定めた「実施計画」の違反としました。その上で対策が取られたとして、同様の作業の再開は問題なしとしました。

 この問題は、作業員が汚染水を処理する多核種除去設備の配管洗浄を行っていたところ、洗浄廃液を移送していたタンクからホースが外れ、近くで作業をしていた作業員が高濃度の放射性廃液を浴びました。同作業の際、指示書ではアノラック着用が必要となっていましたが、廃液を浴びた作業員は着用せずに作業し、身体汚染を招いてしまった事故です。

 この日の会合では、東電による業務計画、業務管理や現場体制の確認を十分行っていなかったなどの問題を指摘。そのうえで、今回の事故を実施計画違反「軽微な違反(監視)」と評価しました。

 一方、伴信彦委員は「一つ間違えるともっと大変な汚染になり得た」と指摘。福島第1原発で2月にも高濃度汚染水の漏えいがあったことを踏まえ、「どこにリスクが潜んでいるかを事前にきちんと把握、対処できるのか。それがいいかげんだと形を整えても、同じようなことが繰り返されてしまう」と苦言を呈しました。

(「しんぶん赤旗」2024年2月22日より転載)