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「浅部断層」考慮せよ/美浜原発運転禁止仮処分審尋 福井地裁

    第3回審尋に向かう住民側=22日、福井市

 関西電力美浜原発3号機(福井県美浜町)の運転禁止仮処分申し立てに対する第3回審尋が22日、福井地裁(加藤靖裁判長)で非公開で行われました。県内の住民10人が1月に申し立てたもの。

 岸田政権の原発回帰路線のもとで、関電は県内で、運転開始から40年を超えた3基を含む全7基の原発を運転しています。

 この日の審尋で裁判所は、次回(11月7日)に住民側、関電側双方が行う説明に盛り込むべき内容を示しました。裁判所は、原発でトラブルが生じても炉心損傷に至らず収束させるとする関電のシナリオについて、最悪の場合、どのくらいの時間で炉心損傷に至るか可能な限り明らかにするよう求めました。また、原発敷地に震源断層が極めて近い場合に求められる「特別な考慮」に関し、表層地盤の断層破壊が発するエネルギーがどの程度のものかを説明するよう求めました。この問題で美浜原発をめぐり、住民側は、強い揺れを発生する深さ3キロ以深の「深部断層」だけでなく、これより浅い「浅部断層」が発するエネルギーも考慮すべきなのに軽視されていると指摘する研究者の意見書を提出しています。これに対し、関電は美浜原発に近いC断層や白木―丹生断層については考慮する必要がないとしています。

 審尋は12月12日に結審します。

(「しんぶん赤旗」2023年9月25日より転載)