24日にも海洋放出を開始するとしている福島第1原発の汚染水(アルプス処理水)をめぐり、福島県の住民や弁護士らが23日、いわき市で記者会見を開き、県内外の漁業関係者や市民を含めて、放出の差し止めを求めて国と東京電力を提訴すると発表しました。
この訴訟では、国に対する行政訴訟で認可の取り消しや使用前検査合格処分の取り消しを求め、東電に対する民事訴訟では放出の差し止めを求めます。
海渡雄一弁護士は差し止めの根拠として漁業者の漁業行使権や人格権、一般市民の平穏生活権が脅かされると指摘。汚染水が大量になったのは地下水の流入を止めなかったためだとし、「汚染物質をつくった側が最後まで管理せず海に流すというのは、原発被害者が二重の被害を受けることになる」と語りました。
原告になる予定の7人が発言。いわき市の鈴木茂夫さんは「署名やスタンディングに取り組み、国に署名提出もしてきました。漁業者との約束を破る政府の決定に怒りがわいています」と訴えました。
広田次男弁護士は「100人以上の原告団を目指し、第2次、第3次の提訴も考えたい」と強調しました。
第1次提訴は9月8日、福島地方裁判所を予定しています。
(「しんぶん赤旗」2023年8月24日より転載)