他の対策検討「まだやれることはある」
日本共産党国会議員団は19日、東京電力福島第1原発事故で発生した汚染水(「アルプス処理水」)の海洋放出をめぐり、西村康稔経済産業相宛てに海洋放出の方針撤回を求めて申し入れしました。日本共産党の笠井亮、塩川鉄也、高橋千鶴子各衆院議員と岩渕友、紙智子両参院議員が参加。太田房江経産副大臣が対応しました。
冒頭、ふくしまチーム責任者である高橋氏は、直近の世論調査で政府の説明に8割が「不十分」と回答しており、海洋放出への理解が得られていないのに「いつ、誰が決定するのか」とただしました。
太田副大臣は、処理水に関する国際原子力機関(IAEA)の包括報告書を根拠に安全性を強調。「国内外に丁寧に説明し、方針変更せずやっていきたい」とし、明確に答えませんでした。廃炉を進めるために「海洋放出は避けて通れない」とも述べました。
高橋氏は、廃炉の見通しも立たず、これからも汚染水が毎日発生すると指摘。「廃炉の最終的な絵姿も説明できていない。長くかかる問題で、まだやれることはある。(放出以外の対策を検討する)努力をするべきではないか」と強調しました。
他の議員からも、「政府は『関係者の理解なしにはいかなる処分もしない』との約束を守るべき」、北海道や茨城などの漁業者から安全性など懸念が多数寄せられているとし、「福島だけの問題ではない」と、方針撤回を重ねて強く求めました。
(「しんぶん赤旗」2023年7月20日より転載)