原発回帰への大転換を図る原発推進等5法案(GX電源法案)の採決に抗議し、市民らが国会前で26日、抗議集会を開きました。「福島原発事故を忘れるな」「見せかけの環境対策はやめて」とコールを響かせました。
同法案は、60年を超えて老朽原発を動かし続けることを認め、原発の活用を「国の責務」と明記するなど、原発回帰へと大きくかじを切る内容です。五つの法律の改定案を一本化した「束ね法案」です。
国際環境NGO「FoE Japan」の満田夏花事務局長は、国民に法案の中身もほとんど知らされず、国会審議も尽くされていないとして「到底、採決できる状況ではない。岸田政権は国民が知らない間に、数の力で悪法を次々と通している」と抗議。法案は原発の安全規制を大きく緩めるものであり、「原発推進法であり、原子力産業救済法だ」と訴えました。
「原子力規制を監視する市民の会」の阪上武代表は、老朽原発の劣化評価を事業者任せにするものだと批判。稼働延長によって東京電力福島第1原発事故のような「原発事故を再び起こしかねない」と危機感をあらわにしました。
これらの同団体は27日も国会前で抗議行動を予定しています。
(「しんぶん赤旗」2023年4月27日より転載)