日本共産党の岩渕友議員は25日、参院経済産業委員会で、原発回帰をおし進めるGX(グリーントランスフォーメーション)推進法案が、脱炭素を名目に原発への投資を推進する新しい仕組みづくりを盛り込んでいると批判しました。
政府は、今後10年間で150兆円のGX投資を官民で実現するとしています。本法案はそのために2023年度から10年間、国債の一種である「GX経済移行債」を発行、20兆円規模の先行投資を行います。
岩渕氏は「本法案により、国の原子力関連予算の約8割を占める会計科目へ財源を繰り入れることができる。原子力への投資が可能になっている」と、新たな仕組みを明らかにしました。また、既に23年度当初予算では新規原発の「革新炉」開発に投資していると指摘。「投資対象には原子力のほか化石燃料も含まれており、グリーンだとは認められない」と追及しました。
岩渕氏は、投資対象の基本原則が抽象的で経産省が投資対象を恣意(しい)的に決められる上、策定プロセスも不透明で投資額だけが決まっており、経産省に白紙委任するものだと批判しました。西村康稔GX担当相は「外部の有識者や関係省庁を含め決める」と言い訳をしました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月26日より転載)