岩手・田老地区
東日本大震災の発生から12年となった11日、岩手、宮城、福島の被災3県を中心に犠牲者追悼の行事や献花が行われました。全国各地で「被災者の生活再建と生業(なりわい)の復興を」「復興を妨げる大軍拡は許さない」「原発再稼働も新増設も反対」と集会やデモ、宣伝が取り組まれました。
午後2時46分、岩手県宮古市田老地区の防潮堤の上で、地震発生時刻に合わせて多くの人が黙とうをしました。田老第一小学校の6年生13人が「希望」「絆」などと書いた、たこを揚げました。
大津波を経験してきた田老地区は「万里の長城」と呼ばれた巨大な二重防潮堤を備えていました。しかし、東日本大震災による津波はこの防潮堤を越え、甚大な被害をもたらしました。
追悼に並ぶ人たちは以前の10メートルよりも高い14・7メートルの防潮堤に立ちます。
国際津波防災学会・津波防災対策検討分科会幹事の濵田英外(はまだ・えいがい)さん(69)もそのひとり。「新しくできた防潮堤でも16メートル級の津波が起これば防げない。被災を風化させないこととともに、ライフジャケットなどの防災の備えを含め、二重三重の対策が必要です」と語りました。
(「しんぶん赤旗」2023年3月12日より転載)