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東電刑事裁判結審延期を・・被害者参加代理人が上申書

 東京電力福島第1原発事故をめぐって東電元会長ら旧経営陣3人が業務上過失致死傷罪で強制起訴され一審で無罪となった裁判の控訴審が近く結審する予定です。被害者参加代理人は11日、期日続行の上申書と意見書を東京高裁に提出しました。

 同控訴審は、6月6日の弁論で結審する予定です。しかし、6月には福島第1原発事故の損害賠償訴訟で国の責任について最高裁判断が示される可能性があり、7月13日には同じ被告を含む東電の旧経営陣に対する株主代表訴訟の判決が東京地裁で予定されています。

 会見した被害者参加代理人の海渡雄一弁護士は、上申書について「結審を延期してほしいということです。二つの極めて重大な司法判断を東京高裁は参考にすべきです。そのためには、少なくとも7月の後半に期日を変える必要があります」と話しました。

 意見書は、刑事事件で取り調べられた証拠に基づいて被告人有罪の結論を導くことが可能であるとしています。

 会見で、福島原発告訴団・福島原発刑事訴訟支援団の地脇美和事務局長は「傷つき絶望の中にある被害者が尊厳を取り戻すために、高裁では事実に基づき公正に審議を尽くしていただきたい。6月6日に結審することはありえません」と訴えました。

(「しんぶん赤旗」2022年5月12日より転載)