非核の火 思い灯す
@福島・楢葉
核兵器廃絶、原発ゼロをめざし福島県楢葉(ならは)町の宝鏡寺で11日、「ヒロシマ・ナガサキ・ビキニ・フクシマを結ぶ『非核の火』」の碑前祭が行われました。
「『非核の火』を灯(とも)す会」の伊東達也共同代表は、ロシアに「満腔(まんこう)の怒りを込めて、侵略戦争を直ちにやめることを求める」と表明。原発事故で取り返しのつかない被害を受けたが、草の根の運動で県内原発ゼロを勝ち取ったとして、「『みんなで行動すれば、何かはなせる』という福島の教訓を全国に広げる」と決意を述べました。
同寺の早川篤雄住職は「核兵器廃絶、原発ゼロの思いを次世代に伝える」と語りました。
境内には、静岡県在住の粕谷たか子さんが育てて贈った非核・平和のシンボル、「愛吉・すずのばら」の挿し木が移植されています。ビキニ環礁での水爆実験で被ばくした「第五福竜丸」無線長の久保山愛吉さんの妻、すずさん(ともに故人)が育てたバラの「ひ孫」に当たり、あいさつに立った粕谷さんは「福島に植えられ、平和運動にとって意義深い」と話しました。
宝鏡寺には「アンネのバラ」も届く予定だと紹介した安斎育郎立命館大名誉教授は「非核、平和な社会を実現する象徴となってほしい」と述べました。
核兵器廃絶、世界恒久平和へともに力を合わせようとのメッセージを、広島市の松井一実市長、長崎市の田上富久市長、福岡県八女(やめ)市の三田村統之市長が寄せました。八女市は、出身者が広島から持ち帰った原爆の火を自治体として保存し続け1989年に東京の上野東照宮に分火、さらに2021年に宝鏡寺に移転されました。
生活再建 最後まで
@盛岡
11日朝、日本共産党岩手県委員会と同盛岡地区委員会は、盛岡市で街頭宣伝を行いました。菅原則勝県委員長、斉藤信県議団長、吉田恭子県副委員長がマイクを握り、志位和夫委員長の大震災11年の「談話」を載せたビラを労働者後援会員らが配りました。
菅原氏は「津波で助かった命を再び失ってはならない」との立場で被災者の命と暮らしを守る復興を進めてきたと強調。志位氏と達増拓也知事、戸羽太陸前高田市長との会談では心のケア、漁業再生で「国のさらなる支援が必要だ」との認識で一致したと語り、被災者の要求実現へ力を尽くすと訴えました。
斉藤氏は、被災者の生活再建を伴走型で支える「いわて被災者支援センター」の取り組みは重要で、体制の拡充が求められていると指摘。大不漁に苦しむ漁業・水産加工業の再生など復興はまだ途上であり、区切りをつけずに最後まで支援するべきだと述べました。通勤者が相次いでビラを受け取りました。
忘れぬ 朝日に誓う
@仙台
11日早朝、津波で大きな被害を受けた仙台市若林区の荒浜海岸では、朝日に向かって犠牲者を悼む人々の姿がありました。(写真)
「まだ見つからない人もたくさんいます。震災を忘れません」と話したのは、ビーチテニス仲間と手を合わせていた石川泰子さん(54)。ロシアのウクライナ侵略でも多くの市民が亡くなっていることにふれ、「命についてあらためて考えました」と語りました。
廃炉へ 声出し続け
@茨城・つくば
茨城県つくば市では11日、「さよなら原発!守ろう憲法!昼休み集会」が取り組まれ、約80人が改憲阻止と日本原子力発電東海第2原発(東海村)の廃炉をアピールしました。
主催者メンバーの山本千秋さんは、ロシアのウクライナ侵略をめぐり「原発を差しおさえ、核の使用をちらつかせるのは絶対に許せない。日本に火事場泥棒的な核共有をさせないよう、声を出し続けよう」と訴えました。
村上達也元東海村長も参加。東海第2原発の再稼働工事が約1年9カ月延期したことに「もともと動かしてはだめな危ない原発だが、動かす原電も破綻している会社だ。再稼働できても12~13年で元が取れないギリギリのところまで来ている」と指摘しました。
「憲法9条の会つくば」の石上俊雄さんは「平和をつくる論理と行動が求められる。今こそ世界に9条の理念を広げよう」と訴えました。
市内に住む女性(74)は「国は原発再稼働や原発汚染水の海洋放出、改憲で合理的な説明をしないまま強行している。反対している市民の声を聞くべきだ」と話していました。
風化 決してさせぬ
@札幌
北海道では11日、原発問題全道連絡会と国民運動道実行委員会が追悼と連帯のメモリアル行動を札幌駅前で行いました。震災発生と同時刻の午後2時46分に参加者が黙とうしました。「被災者切り捨てやめろ 復興支援継続・拡充を 原発なくせ」の横断幕、「フクシマを忘れない」のプラカード、「核による威嚇やめろ」「NO WAR」とウクライナに連帯するメッセージボードを高く掲げました。
道行く人が注目し、高校1年生(16)の3人は「当時5歳で記憶に残ってないけど、学校の授業で知識として知っています。原発があることで同じ事故が起きないことを願います」と署名しました。19歳と20歳の青年たちは「3・11と検索すると募金できるサイトがあり、ツイッターで広げて風化させないよう自分たちも考えて行動している」「忘れちゃいけないよね」「原発のデメリットが分かったから、なくさないと」と話していました。
関東地方から卒業旅行で来たという20代の若者たち。3年前に福島へボランティアに行ったことがあり、被災地の人が「お金より人が戻ってほしい。人が戻れずにいるから過疎化が進む」と語ったと言って署名し、一緒に黙とうしました。
道労連の三上友衛議長や日本共産党の松橋ちはる参院道選挙区候補が訴え、高崎暢弁護士が参加しました。
(「しんぶん赤旗」2022年3月12日より転載)