NPO・原子力資料情報室は3日、小型原発の開発を進めているカナダの状況についてのオンラインセミナーを開きました。
ブリティッシュコロンビア大学教授のM・V・ラマナ氏が小型モジュール炉(SMR)の問題点を報告。すべてのSMRに技術的課題があり、コストが高いことや安全性、放射性廃棄物、核拡散リスクなど原子力が抱える課題すべてを解決できるものはないと断言しました。また、仮にSMR開発に理想的な環境であっても、コストの高い電力を供給することになると指摘しました。
カナダ環境法協会のケリー・ブライズ弁護士は、産業界の要望によって小型原発に対する安全や環境規制が緩和されており、市民や地域社会へのリスクが増大すると指摘しました。
また、新たな小型炉開発がカナダ先住民族の伝統的領域に計画されていることに触れて、先住民族がカナダの原子力規制当局に計画の中断を求めていることなどを報告。先住民族の権利と市民参加の強化が必要だと強調しました。
(「しんぶん赤旗」2022年3月5日より転載)