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がん発症で東電提訴・・福島原発事故時、県内在住6人

 東京電力福島第1原発事故で放出された放射性物質により小児甲状腺がんを発症したとして、事故当時6~16歳で福島県内に住んでいた男女6人が27日、東電に計6億1600万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしました。原告弁護団によると、住民が甲状腺がん発症を理由に事故の被害を訴える訴訟は初といいます。

 提訴後、東京都内で記者会見した原告の20代女性は「声を上げることで現状を知ってもらい、少しでも良い状況になることを願っている」と訴えました。

 女性は2016年にがんと診断され、17年に手術を受けました。仕事に就きましたが体調が優れず、転職を余儀なくされたといいます。「『差別されるのでは』と何も言えず過ごしてきた。同じ状況で苦しんでいる子どもたちのためにも、状況を変えていきたい」と述べました。

 弁護団によると、原告側は事故後の福島県では、小児甲状腺がんが300人近く確認されているとし、がん発症と事故は因果関係があると主張しています。

 福島県民の健康調査に関する検討委員会は、甲状腺がんの発症について「放射線の影響は考えにくい」との見解を出しています。

 東電は「主張を詳しく伺った上で誠実に対応する」としています。

(「しんぶん赤旗」2022年1月29日より転載)