日本原子力発電東海第2原発(茨城県東海村)再稼働工事で配管工事などを請け負う有限会社博良工業(同県ひたちなか市)が従業員の健康診断票を偽造していたとして、従業員の鈴木正雄さん(49)ら男性3人が13日、会見を開き、同社の代表取締役を有印私文書偽造罪の疑いで刑事告発すると発表しました。日本共産党の江尻加那県議が同席しました。
同社は放射線管理区域に立ち入る労働者に実施が義務付けられている電離放射線健康診断を実施せず、診断票を偽造。同社が作製した医師の印鑑やゴム印を使い、診断票を作成していました。
代理人の丸山幸司弁護士は「危険な原子力施設で、労働安全衛生の面で明らかな違法行為が行われている。その企業が原発という危険な施設の工事を実施していることは県民にとってのリスクだ」と述べました。
また鈴木さんらは、同社はコロナに感染した従業員に事実を偽って業務をさせたり、有給休暇の取得を妨害するなどの行為もあったと指摘。「仕事がなくなるのが怖く声を上げられない人もいるが、告発することで手助けになれば」と話しました。
鈴木さんらは先月、偽造行為について共産党の江尻県議に相談。江尻県議は12日の県議会で県に安全管理の指導を求めました。
(「しんぶん赤旗」2021年10月14日より転載)