「人生奪われた」
東京電力福島第1原発事故でふるさとを奪われた福島県浪江町の津島原発訴訟の原告団と弁護団、支援団体は6日、東電に真摯(しんし)な謝罪や原状回復へ向けた措置などを求め、東電前で「被害国民に謝れ」「最後までたたかうぞ」などのシュプレヒコールを上げました。その後、原告らは東電との交渉や集会を行いました。
原告団の石井ひろみ副団長は「東電の罪を国民に明らかにしていくことは私たちの責務です」とあいさつ。今野秀則団長は津島での暮らしを「豊かな自然や行事の中で生きがいや喜びを感じていた」と振り返り、「私たちの人生を奪った。みなさんと一緒に力を尽くしてたたかいます」と決意表明しました。
弁護団や支援団体からは、原告団へのエールと東電への怒りの声が上がりました。同じ原発被害者のいわき市民訴訟の伊東達也原告団長は、ふるさとに帰れない津島が「最もひどい」と思いを寄せ、「求められるのは東電の誠実な対応です」と訴えました。
反原発運動に参加する五十嵐努さん(71)=神奈川県川崎市=は「東電は償え」と訴え、力強い太鼓の演奏で原告団を鼓舞しました。
(「しんぶん赤旗」2021年10月7日より転載)