【ベルリン=桑野白馬】東京電力福島第1原発事故から10年を前にベルリンのブランデンブルク門前で6日、反原発を訴える集会が開かれました。ベルリン在住の日本人でつくる「サヨナラ・ニュークス・ベルリン」、ドイツの反核団体や自然保護団体などが呼びかけ、約250人が参加しました。
参加者は自然エネルギーを象徴する手作りのかざぐるまを手にデモ行進。「原発は気候を救わない」「被ばく死ストップ」と書かれた横断幕を手に「原発やめよう」と唱和しました。
核戦争防止国際医師会議(IPPNW)ドイツ支部のアレックス・ローゼン共同代表は、復興が遅れている福島の現状を見れば「原発のコストは高く、環境問題の解決にもなり得ないことは明らかだ」と指摘。1月に核兵器禁止条約が発効したことを「原発に反対してきた仲間にとって大きな一歩だ」と強調しました。
ベルリン在住の作家、多和田葉子さんは、原発事故は人間の生活を壊し、影響は永久的に続くと指摘。原発を「今すぐ停止するべきだ」と強調しました。
家族と行進した歌手の佐藤えみこさんは「10年たっても家に帰れない人たちがいる。原発事故は終わっていないと世界に伝えたい」と語りました。
毎年参加しているカリー・バルドゥイーンさん(55)は「原発がどんな災いをもたらすのか伝え続ける必要がある。福島で被災した人や、世界の反核活動家と連帯したい」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月8日より転載)