運転開始から40年を超えた福井県内の原発3基の再稼働が焦点となる中、県原子力安全専門委員会が4日に開かれ、原子力規制庁と関西電力から説明を受けました。委員からは「科学ではない」との厳しい意見が出されました。
関電は美浜原発3号機と高浜原発1・2号機の安全対策工事の実施状況を説明。規制庁は、原発で想定する最大地震動(基準地震動)の策定を確認する審査方法など説明しました。
規制庁の小山田巧安全規制調整官は、大阪地裁判決(昨年12月)が策定過程の欠点を指摘した関電大飯原発3、4号機の基準地震動について「不確かさ」を考慮の上856ガルと評価したのは妥当だと説明しました。判決は、平均値からずれる「ばらつき」の考慮を定めておきながら、考慮されていないとして「看過しがたい過誤、欠落がある」と断じました。
委員からは「900ガルを超えることはありえないのか」との質問が出され、小山田氏は「絶対にこれ(856ガル)を超えることがないかということに対しては、私どもは、それを否定するものでない」と回答。
質問した委員は「否定するものでないというのでは、何のための審査か」「不確定性(要因)の入れ方によって答えは、どんと変わってしまう。これはもう科学ではない」と指摘しました。
(「しんぶん赤旗」2021年3月6日より転載)