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原発交付金も還流か・・建設会社に3年3億7140万円 & 原発マネー還流 受注業者も金品・・現金・商品券など 関電3幹部受領

元助役通じ関電幹部に

 関西電力幹部らに高浜原発がある福井県高浜町の森山栄治元助役(3月に死去)から「原発マネー」が還流していた疑惑で3日、国の電源立地地域対策交付金も同町の建設会社「吉田開発」と森山氏を通じて関電幹部に還流していた疑いがあることが本紙の調べで分かりました。

 疑惑の発端となった金沢国税局の税務調査では、吉田開発が「手数料」を森山氏に提供。同氏は2011年からの7年間に総額約3億2000万円相当の金品を関電幹部らに手渡していたことが明らかになっています。

 高浜町の資料によると、吉田開発は15年~17年の3年間に同交付金を活用した同町の公共事業5件を総額約4億5253万円で受注していました。このうち少なくとも3億7140万円に同交付金が充てられています。

 同社は16年、町立中央体育館の建設工事に関連する駐車場整備事業と擁壁改修工事の2事業を受注。擁壁改修工事の総事業費2億6001万3240円のほぼ全額(99・9%)に相当する2億6000万円分が同交付金です。経済産業省などの予算に含まれる同交付金は、国民が電気料金に上乗せして電力会社に支払う電源開発促進税が原資となっています。

 日本共産党の渡辺孝高浜町議は「国や高浜町は当事者として交付金の流れを徹底的に究明する責任がある」と指摘しています。


原発マネー還流 受注業者も金品・・現金・商品券など 関電3幹部受領

関西電力本店=大阪市北区

吉田開発 「特命発注」で恩恵も

 関西電力の幹部3氏が、高浜原発(福井県高浜町)の工事を受注していた「吉田開発」を含む2社から金品を受け取っていたことが3日、分かりました。関電は幹部らに還流した金品の原資は「分からない」としてきましたが、一部に「原発マネー」が含まれていたことが明らかになりました。(「原発」取材班)

 高浜町元助役の森山栄治氏は、関電幹部らに金品を渡す際に、吉田開発などを同席させることもありました。

 関電によると、金品を受け取っていたのは、原子力事業本部長だった豊松秀己元副社長、同本部長代理の鈴木聡常務、同副事業本部長だった大塚茂樹常務の3氏。

 大塚氏は、吉田開発から現金100万円と商品券40万円分を受け取りました。豊松氏は、別の工事業者からスーツ券4着分を受領。鈴木氏も別の工事業者からスーツ券1着分を渡されていました。関電は吉田開発以外の企業名を公表していません。

 関電が2日に公表した調査報告書は、現金、金貨などの金品を「森山氏等から」渡された、と記述していました。「等」について、関電は同日の会見終了後、深夜になって、吉田開発と別の工事業者だと発表。「金品の出所について分からなかった」とした報告書を事実上、訂正しました。

 吉田開発は2014~18年の5年間で関電から約7億円の工事を直接受けていました。同期間にゼネコンなどの下請けの形でも約57・3億円を受注しています。

 関電からの入札を経ない「特命発注工事」は、14年9月~17年12月末までに原子力事業本部と京都支社で計18件ありました。吉田開発への特命発注について調査報告書は、森山氏から高浜町の企業に発注するよう要望があった結果、「特別な理由があるとき」と判断したことをあげています。

 関電から“特別扱い”で吉田開発など工事業者に渡った「原発マネー」が、関電幹部らに直接還流した形です。

(「しんぶん赤旗」年10月4日より転載)