【カトウィツェ(ポーランド南部)=伊藤寿庸】国連気候変動枠組み条約第24回締約国会議(COP24)は12月14日に最終日を迎えます。
気候変動対策を定めたパリ協定の2020年以降の「実施ルール」を決める今回のCOP24では、先進国と途上国の対立で交渉が非常に難航。交渉期間を2日残した12日夜の時点で、議長国ポーランドは案文の全体像も示せていません。
先進国は、途上国も排出削減の実施状況の報告などを「共通のルール」で行うことを主張。途上国は、資金や能力などで差があるとして共通ルールは受け入れられないと主張し、対立しています。また途上国側は、先進国による途上国向けの資金の約束の明確化も強く求めています。
11、12の両日は、閣僚級の発言が続き、12日には前回COP以来続けられてきた各国の目標引き上げを目的とした促進的対話(タラノア対話)が閉幕。「タラノア行動の呼びかけ」が発表されました。
閣僚の発言では、途上国が「援助を求めているのではない。気候変動での(先進国による)公正で公平な責任分担を求めている」(ガボン)、「国内総生産(GDP)の2%を気候変動で失った」(ケニア)、「多額の資金を報告やそのための人材育成に使わざるを得ない」(マレーシア)などと述べました。
米国政府代表は「化石燃料、原子力、再生可能エネルギーを含む全エネルギー源を可能な限りクリーンに効率的に使う」とのトランプ政権の方針をあらためて表明しました。
(「しんぶん赤旗」2018年12月14日より転載)