中国電力は12月25日、島根原発2号機(松江市)の再稼働に向け、新規制基準への適合審査を原子力規制委員会に申請しました。同原発は東京電力福島第1原発と同じ沸騰水型原子炉で、同型の再稼働申請は9月の東京電力柏崎刈羽原発6、7号機(新潟県)に続き2例目。
島根原発の周辺には活断層があり、中国電力は一貫して過小評価してきました。さらに、1、2号機の設備を長期間にわたって点検せずに運転してきたことも発覚しています。同原発は全国で唯一県庁所在地に立地し、県庁までの直線距離は約10キロメートル。
清水希茂(まれしげ)副社長は申請後の会見で、「(建設中の)3号機の稼働申請準備も2号機と並行して進めていて、できるだけ早い時期に申請したい」と述べました。
申請では、島根県などの想定に基づき、最大津波高さを約9・5メートルに設定。9月に高さ15メートルの防潮堤を設置しています。
中国電力の説明では、▽沸騰水型に設置が義務づけられている2、3号機のフィルターベントや、免震重要棟は来年9月(来年度上期)までには設置する▽2号機のプルサーマル(ウランとプルトニウムの酸化物を混合したMOX燃料を原発で燃やすこと)は現段階では考えていない▽24日に島根県、松江市から審査申請の了解が得られ25日の申請となった―といいます。
廃炉が決まっている福島第1原発1~6号機を除いて全国には商業用原子炉が48基ありますが、9月以降、稼働ゼロが続いています。今回の再稼働申請は6電力会社8原発15基目になります。