東京電力福島第1原発3号機の使用済み燃料プールから核燃料を取り出す燃料取り扱い機に不具合が相次いでいる問題で、原子力規制委員会の更田豊志委員長は3日の定例会合で、東電について「手抜きにすら見える」「ちゃんとやればできたはずのことができていない。本件は重く見るべきだ」と批判しました。規制委は、取り扱い機の製造を請け負った東芝エネルギーシステムズなどからも説明を求める方針を確認しました。
爆発で大規模に損傷した3号機原子炉建屋の使用済み核燃料プールには566体の核燃料が存在。東電は当初、燃料の取り出しを2018年中ごろに始める計画としていましたが、3月から始めた取り扱い機の試験運転で、不具合が相次ぎました。クレーンの制御盤の電圧設定の間違いや、カバーが取り付けられていなかったために雨水の侵入でケーブルが腐食したことなどが原因としています。
取り扱い機は、東芝エネルギーシステムズが元請けとなり、米メーカーが製造しました。東電は、品質管理上の問題を改善後、試運転を開始するとしており、取り出し作業は来年以降に延期されました。
更田委員長は会見で、一連のトラブルに関して「とにかく調達が甘い。品質保証体制に疑いを持たざるを得ない」と話しました。
(「しんぶん赤旗」2018年10月4日より転載)