福井県の西川一誠知事は11月27日、関西電力大飯原発3、4号機(同県おおい町)の再稼働に同意しました。同日の定例記者会見で表明しました。おおい町と県議会は同意しており、西川知事の同意で再稼働に必要な地元手続きは完了したことになります。県庁前に集まった住民らは、安全を無視した同意に抗議の声をあげました。日本共産党の小池晃書記局長は同日の会見で、周辺自治体の京都府や滋賀県の知事が再稼働を容認できないなどとしているなかで、「福井県知事が認めたから再稼働などということは許されない」と強く批判しました。
原子力規制委員会が新規制基準に適合したとする原発の再稼働に、西川知事が同意するのは2015年12月の関電高浜原発3、4号機(同県高浜町)に次いで2回目。
規制委は9月に審査を終了。2基は現在、規制委が最終確認手続きの使用前検査を進めています。関電は、3号機を来年1月中旬、4号機を3月中旬に再稼働する見通しを立てています。
大飯3、4号機は新規制基準が施行される前の12年7月、夏場の電力需給への懸念などを理由に政府が一度再稼働させました。13年9月に定期検査のため停止した後の14年5月、福井地裁は住民が起こした運転差し止め訴訟の判決で、原発の本質的危険を認め、「原発を運転してはならない」と断じました。
名古屋高裁金沢支部での控訴審は20日結審しましたが、判決は出ていません。
西川知事が大飯原発3、4号機の再稼働に同意を表明したのに対し、県庁前の抗議行動に集まった人たちから怒りの声が上がりました。
参加者らは、「国の言うことばかりきいて、地方自治になっていない」「県として説明会も開いていない」などと西川知事の無責任さを非難しました。
原発問題住民運動県連絡会の林広員事務局長はフクシマの悲惨さを告発し、「事故原因も不明なのに、高浜(原発3、4号機)に続き、大飯も再稼働なんて狂気の沙汰だ」と訴えました。
日本共産党の佐藤正雄県議は福島事故の教訓として集中立地する原発の再稼働について、「事故のとき収束に大変な問題が生じる」とし、金元幸枝県書記長は「使用済み核燃料は処分方法がない」として再稼働の無謀さを強調しました。
(「しんぶん赤旗」2017年11月28日より転載)
日本共産党の小池晃書記局長は27日、国会内で記者会見し、福井県の西川一誠知事が同日、関西電力大飯原発3、4号機の再稼働に同意する考えを表明したことについて問われ、「とんでもない話だ。許されない」と批判しました。
小池氏は、福島原発事故の原因も実態も明らかになっていないなか、「世界最高水準の規制基準なんてできるはずがない」と強調。また、一審の福井地裁で再稼働差し止め判決が下り、いまだ控訴審で係争中だと指摘したうえで、同原発の半径30キロ圏内にありながら地元同意の権限から外されている京都府と滋賀県の知事も再稼働には不満や容認できないとの見解を示したことを挙げ、「そういうなかで福井県知事が認めたから再稼働などということは許されない」と重ねて批判しました。
また、直線距離で十数キロしか離れていない大飯原発と高浜原発が巨大地震や津波で同時に事故を起こした場合の対応がまったく想定されていないことを指摘。さらに、原発の核燃料廃棄物貯蔵プールも再稼働すれば6年で満杯になるなど、使用済み核燃料の処分方法確立のめどもまったく立っていないと述べ、そうしたなかで原発を再稼働させることなど「あまりにも無責任だ」と厳しく批判しました。
(「しんぶん赤旗」2017年11月28日より転載)