国土地理院は1月10日、千葉県の房総半島沖で、地下にあるプレートの境界がゆっくり滑る「スロー地震(スリップ)」とみられる現象を観測したと発表しました。同様の現象は2011年10月以来で、観測史上最短の2年3カ月ぶりの発生です。
地震をもたらすプレートのひずみが小さくなった可能性がある一方、新たな巨大地震の前兆の恐れもあり、地理院は監視を続けます。
地理院によると、今月2日ごろから、千葉県内の複数の観測点で最大約1センチの異常なずれを観測。解析したところ、房総半島東方沖の深さ十数キロから20キロで、プレート境界面が最大6センチ程度ずれたと推定されました。
瞬間的にずれればマグニチュード(M)6・3の地震に相当しますが、ゆっくりとした変動のため、体に感じる揺れは2日夜の最大震度3程度です。
房総沖では1996年5月以降、計4回観測されており、今回が5回目です。最初の3回の間隔は6年5カ月と4年10カ月でしたが、東北地方太平洋沖地震の後に発生した前回は間隔が4年2カ月でした。