日本共産党の藤野保史議員は6月1日、衆院原子力問題調査特別委員会で、東京電力柏崎刈羽原発(新潟県)に流れ込む地下水対策について質問しました。
同原発は1日当たり最大で約4000トンの地下水をくみ上げており、他の原発と比べても桁違いの量です。
藤野氏は、建屋周囲に設置された、地下水をくみ上げる井戸「サブドレン」が、建屋に働く浮力を抑えるだけでなく、液状化を抑える上でも重要な施設だと強調。2007年の中越沖地震時に同原発敷地内で液状化が起きたとして、東電の認識を問いました。東電の広瀬直己社長は「(サブドレンで)水を引いているので(液状化は)起きにくくなっている」と答えました。
藤野氏は福島第1原発事故で半分以上のサブドレンが復旧不能になった事実がありながら、東電が審査の申請でその機能喪失を想定せず、サブドレンに求められている耐震強度が最も低い「Cクラス」になっている問題を指摘。
原子力規制委員会の田中俊一委員長は審査で、機能喪失の場合に地下水が建屋に浸入しない対策と合わせて判断していると説明。藤野氏は地盤のずれや建物のゆがみ、それが配管に影響を及ぼす可能性を強調。「安全神話に陥ることなく、審査をやり直すべきだ」と主張しました。
(「しんぶん赤旗」2017年6月2日より転載)