佐賀県の山口祥義知事は4月24日、原発事故の危険性に不安を抱く県民の声を無視し、九州電力玄海原発3、4号機(同県玄海町)の再稼働に同意することを表明しました。県庁には「容認は許せない」と市民ら約50人が詰め掛け、市内の中心街で「再稼働反対!」と怒りの声を上げました。
山口知事は同日の記者会見で、玄海原発の安全対策に関して「求められるレベルの安全性が確保されている」などと述べ、再稼働は「現状においてはやむを得ない」と容認する考えを示しました。
また、県民の理解についての認識を記者から問われ、具体的な根拠を示さず「総合的に考えて理解は得られた」と主張しました。
知事の容認表明に先立ち、市民らは知事宛てに、再稼働を容認しないよう求める要求書を提出。表明後は「脱原発佐賀ネットワーク」が抗議行動をしました。
抗議行動に参加した同県上峰(かみみね)町の執行由美子さん(70)は「要求書を提出した際にも、知事は私たちの前に姿を現しませんでした。原発の危険性は十分に示されています。再稼働で県民を危険にさらすことは許されない」と語りました。
日本共産党の井上祐輔県議は「事故が起これば知事はどう責任をとると言うのか。知事が同意した責任は重い」と強調しました。
玄海原発をめぐっては玄海町長と町議会、県議会が再稼働を容認していますが、原発から30キロ圏内の8市町のうち4市の市長が反対を表明しています。
(「しんぶん」赤旗2017年4月25日より転載)