日本共産党の塩川鉄也議員は10月18日の衆院環境委員会で、東京電力福島第1原発事故の除染経費負担の問題についてただしました。
塩川氏は、実施済み・計画中の除染費について、2013年12月の福島復興指針で約2・5兆円と試算されていたものが17年度概算要求を含む費用総額では約3・8兆円に膨れ上がっていることを確認。今後の費用の見通しと2・5兆円の積算根拠についてただしました。
見通しについて伊藤忠彦副大臣は「現時点で示すことは困難」と答弁。試算について山本公一環境相は積算根拠を示さず「指摘を重く受け止める」と述べました。
塩川氏は「除染は費用負担が問われる問題だ。試算根拠を明らかにしてもらわないとまともな議論はできない」と強調。「2・5兆円の試算には帰還困難区域や森林での除染費用が入っておらず、今後費用がさらに大きくなることは確実だ」と指摘しました。
その上で、放射線量の高い帰還困難区域で国が除染とインフラ整備を「一体」で進めるとしていることに関して、「除染の部分は東電に負担を求めるのは当然ではないか」と質問。山本氏は「負担のあり方は検討段階」と述べ、東電の責任を曖昧にしました。
塩川氏は「これまでは汚染者負担の原則に立ち、東電へ求償していたのを『検討する』としているのは大転換だ」と批判。森林除染関連費が東電の負担でなく国民の税金から出されている問題と合わせて「国民に負担を転嫁することは許されない」と強調しました。
(「しんぶん赤旗」2016年10月19日より転載)