鹿児島県の三反園訓(さとし)知事は8月19日、九州電力川内(せんだい)原発(同県薩摩川内市)周辺を視察しました。事故が起きた場合の避難道路や病院などの状況を確認し、住民と意見交換しました。知事は記者団に「本当に避難できるのかと、不安の声がたくさん寄せられた。避難計画を見直す必要がある」と述べました。
三反園知事は7月の知事選で、川内原発の一時停止と点検を公約に初当選しました。視察を踏まえ、今月下旬から9月上旬に九電に申し入れます。
知事は午前5時半に県庁を出発。川内原発から10キロ圏内の避難道路や病院、介護施設を中心に計34カ所を視察しました。
5キロ圏内の高齢者介護施設「わかまつ園」の浜田時久園長(66)は知事に対し、夜間に原発事故が発生した場合、入所者を避難させるスタッフが少ないと説明。応援や情報提供を要望しました。
峰山地区コミュニテイ協議会会長の徳田勝章さん(78)は花火大会で避難道路が渋滞したことを念頭に、「原発事故が起きれば多くの世帯が一斉に車で避難するため、大渋滞になる」と指摘。三反園知事に対し、歩道もなく狭い避難道路の拡幅などを強く訴えました。
(「しんぶん赤旗」2016年8月21日より転載)