【パリ=島崎桂】環境NGO「ジャーマンウオッチ」と「気候変動ネットワーク・ヨーロッパ」は12月8日、地球温暖化の原因となる温室効果ガス排出の上位58カ国の温暖化対策を評価する報告書を発表しました。日本は前回から順位を3位落とし、55位となりました。
今回発表された「気候変動パフォーマンス・インデックス」は、両NGOが毎年発行しているもの。▽排出レベル▽排出量の増加▽再生可能エネルギー▽エネルギー効率▽気候政策―の5項目を基準に、各国のランキングを作成しています。
日本の排出レベル(量)は世界第5位と他国に比べて高くなっています。一方、再生可能エネルギー、気候政策の2項目は最低水準に位置しています。報告書は、「日本はほぼ全ての項目でポイントを落とした」と指摘。原因として、日本政府による石炭火力発電の推進や効果的な気候変動対策の不在を挙げました。
5段階評価で最低の「極めて乏しい」には日本のほか、ロシア(50位)、韓国(54位)などが含まれ、日本より下に位置する最下位3カ国はオーストラリア、カザフスタン、サウジアラビアとなりました。
最高評価の「極めて良い」は不在で、続く「良い」にはデンマーク、英国、スウェーデン、ベルギーなど欧州諸国が並びます。
(「しんぶん赤旗」2015年12月10日より転載)