日本共産党嶺南地区委員会 > しんぶん赤旗 > ETV特集 帰還への遠い道 福島・楢葉町一年の記録 NHK Eテレ きょう午後11:00・・原発被害の地で希望持ち続け

ETV特集 帰還への遠い道 福島・楢葉町一年の記録 NHK Eテレ きょう午後11:00・・原発被害の地で希望持ち続け

放射性廃棄物の仮置場
放射性廃棄物の仮置場

 福島第1原発事故から4年半。9月5日に楢葉町への避難指示が解除されました。全住民が避難している7自治体の中では初めての住民帰還です。失われた生活を取り戻せるのか。楢葉の人々の1年間を丁寧に追います。

 昨年夏から、昼は町への立ち入りが認められています。伸び放題の草木、跋扈するネズミ。人間の営みが消えた街は無残に変化していました。除染で出た放射性廃棄物の山に、住民の不安の根本が示されます。それでもなんとか故郷を取り戻したい。室町時代創建の寺の住職は荒れた庭を手入れします。由緒あるご本仏は避難先のアパートの押し入れの中です。避難先の仮設住宅で営業を続ける床屋さんなど住民の願いと、復興の形を示したい政府、東電とのミゾの深さが描かれます。

 帰還が始まったその夜、町に明かりはなく、町に戻った住民は1割に届きません。

 「3・11以前に戻れないことが避難指示の解除によって現実になった」という住職の言葉が重い。人の生活を根こそぎ奪う原発事故の罪深さと、それでも希望を持ち続ける人々の営みにいとおしさを感じるのです。

(荻野谷正博・ライター)

(「しんぶん赤旗」2015年9月19日より転載)

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