原発推進等5法案(GX電源法案)について日本共産党の笠井亮議員は26日午後、衆院経済産業委員会で岸田文雄首相に対し、同法案が「原発利用を将来にわたって固定化・永続化し、『東京電力福島第1原発事故の反省』といいながら、全く逆行する法案ではないか」と廃案を強く求めました。
笠井氏は、国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の最新の報告書で採用された論文を紹介。「世界123カ国、過去25年間のデータから、原発が増えてもCO2排出削減はもたらされないが、再エネを増やせば排出削減がもたらされた」「原子力発電を増やすと再エネが伸びにくい」と論文で明らかにされていると述べ、「軸足を再エネに置くべきではないか。政府が決断を」と首相に求めました。
岸田首相は「各国のエネルギー事情はさまざま」「原子力などあらゆる選択肢を追求する必要がある」などと述べました。
笠井氏は、大手電力会社が再エネ事業者に発電停止を指示する「出力抑制」が急増し、再エネの本格普及に軸足を切り替えないと、ますます原発を使うことになると指摘。経済界では、再エネ100%(RE100)が必要だとの意識が日々強まって努力していると述べ、「原発を最大限活用し、2030年に20~22%も残す計画はRE100をあきらめよと言っているようなものだ」と、原発依存を批判しました。
笠井氏は、脱炭素の世界の要請に真っ向から逆行する法案は廃案にし、原発ゼロの決断と再エネへの転換を強く求めました。
(「しんぶん赤旗」2023年4月27日より転載)